Goistech株式会社のY.Sです。業界ニュースやトレンドを日々ウォッチするのが私の担当です。
「出前館が『お店と同じ価格』になるって、飲食店にとって得なの?損なの?」
「手数料はそのままなのに、どうやって利益を守ればいい?」
「UberEatsも同じ施策をやっているけど、何が違うの?」
2026年3月、出前館が「お店と同じ価格で出前館」を全国47都道府県へ展開しました。わずか3ヶ月で約21,000店舗が参加するというスピードで広がっています。このような悩みをお持ちの飲食店オーナー様に向けて、施策の内容から飲食店への影響、具体的な対応策まで詳しく解説します。
「お店と同じ価格で出前館」とは?2026年全国展開の全容
2026年3月から全国47都道府県へ展開
「お店と同じ価格で出前館」とは、店内での飲食(イートイン)やテイクアウト時と同じ価格でデリバリーを注文できる仕組みです。これまでフードデリバリーでは、手数料の負担を価格に転嫁するため「デリバリー価格は店頭より高め」という設定をしているお店が多数ありました。この施策はその慣行を変えるもので、出前館が2026年3月1日に全国47都道府県で展開をスタートさせました。
利用者側のメリットは明確です。「デリバリーって割高感がある」という心理的なハードルが下がるため、注文のきっかけになりやすくなります。また、LYPプレミアム(Yahoo!やLINEの有料会員サービス)との連携により、特典付きで注文できるため、消費者の満足度がさらに高まっています。
6月時点で21,000店舗突破 — なぜここまで広がったのか
2026年3月の全国展開からわずか3ヶ月で、参加店舗数は約21,000店舗を突破しました。この急速な拡大には、いくつかの理由が考えられます。
理由1. 「デリバリー価格は高い」という消費者の不満へのアンサー
スマートフォンで気軽に価格比較ができる時代です。「出前館のほうがUberEatsより高い」「デリバリーは損した気分になる」という口コミが広がるなかで、価格の透明性を打ち出すことは消費者の信頼獲得に直結します。
理由2. 出前館が「送料無料」を同時展開
2026年3月より、「出前館がお届け」対象の店舗に限り、配達料が0円になる送料無料キャンペーンが始まりました。「お店と同じ価格」+「送料無料」の組み合わせは消費者にとってかなり魅力的で、出前館の注文数増加につながっています。このトラフィックの恩恵を受けたい飲食店が積極的に参加しているのは自然な流れです。
理由3. 競合サービスとの差別化
Woltが2026年に日本から撤退し、主要プレイヤーがUberEatsと出前館に絞られた状況では、消費者の選択が明確になっています。出前館としては、UberEatsとの差別化を「価格の正直さ」で打ち出すポジショニングを取ったと個人的には分析しています。
同時に変わった料金体系 — 「サービス料+送料」の2段階制を理解する
従来の「送料」との違い
2026年3月1日より、出前館では注文者が支払う費用の体系が変わりました。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 配達費用 | 「送料」として一括 | 「サービス料」+「送料」の2段階 |
「サービス料」はプラットフォームの利用料にあたる部分で、「送料」は実際の配達コストに近い部分です。2段階に分けることで、消費者にとって費用の内訳が分かりやすくなりました。
飲食店側の手数料(加盟店手数料)については、この料金体系変更の直接的な影響は受けません。ただし、体系変更により消費者が注文時に目にする金額表示が変わるため、「思ったより高かった」「思ったより安かった」という感覚のズレに気をつける必要があります。
送料無料キャンペーンとの組み合わせ効果
先述の送料無料キャンペーンは「出前館がお届け」対象店舗に適用されます。出前館の自社配達を使っている店舗であれば、消費者の送料負担がゼロになるため、「お店と同じ価格で注文できて、送料もかからない」という強力なインセンティブが生まれます。
ここは正直おすすめです。送料無料対象店舗かどうかはOnerDashboard(出前館の店舗管理画面)で確認できるので、まだ確認していない方はすぐにチェックしてみてください。
「お店と同じ価格」に参加すると飲食店はどうなる?
消費者が感じる「デリバリーは割高」という不満を解消
フードデリバリーを利用する消費者の不満として長年挙がってきたのが「デリバリー価格は店頭より高い」という点です。調査によっては、デリバリーの利用をためらう理由の上位に「価格が高い」が入っています。
「お店と同じ価格」に移行することで、この心理的ハードルを取り除けます。「同じお金を払うなら出前館で頼んでみよう」という気持ちになりやすくなり、新規顧客の獲得や注文頻度の向上が期待できます。
注文件数の増加 vs. 利益率の変化
ただし、ここは慎重に考える必要があります。
注文件数が増えることの恩恵
- 新規顧客の流入増加
- リピート率の向上(価格への不満が減るため)
- 出前館の検索アルゴリズムでの露出強化(参加店舗が優遇されるケースあり)
利益率への影響(注意点)
もし現在デリバリー専用に価格を上乗せしている(例:店頭700円 → デリバリー850円)場合、「お店と同じ価格」に移行すると1件あたりの売上が下がります。それに加えて手数料(一般的に30〜35%)がかかるため、利益率が大幅に変わる可能性があります。
具体的に試算してみましょう。
| 項目 | デリバリー専用価格(現在) | お店と同じ価格(移行後) |
|---|---|---|
| 商品価格 | 850円 | 700円(店頭と同じ) |
| 手数料(35%) | 297.5円 | 245円 |
| 飲食店の手取り | 552.5円 | 455円 |
| 差額 | — | ▲97.5円/件 |
1日10件注文が入るとすると、1ヶ月で約29,000円の収益差が生まれます。注文件数が増えて補填できるかどうか、事前に試算することが不可欠です。
UberEatsの同一価格施策との違い — 出前館を選ぶ理由はあるか
UberEats「お店と同じ価格」との比較
実は、UberEatsも2026年に「お店と同じ価格」施策を推進しています。同一価格施策自体はフードデリバリー業界全体の流れになっており、両社が競い合うように導入を進めている状況です。
| 比較軸 | 出前館 | UberEats |
|---|---|---|
| 全国展開時期 | 2026年3月 | 2026年(施策推進中) |
| 主な特典 | LYPプレミアム、送料無料 | サブスクリプション「UberEats One」など |
| 参加店舗数(2026年6月時点) | 約21,000店舗 | 非公表 |
| 加盟店手数料への影響 | 基本なし | 基本なし |
どちらも「手数料を払いながら店頭と同じ価格にする」という構造は同じです。違いは、消費者へのインセンティブ(どのサービスのほうがお得感を演出できるか)と、プラットフォームごとのユーザー層にあります。
両社の施策が示す「デリバリー価格の未来」
両社が同時期に同一価格施策を進めていることは、今後「デリバリー価格 = 店頭価格」が業界標準になっていくことを意味しています。
という傾向があります。いずれ参加が事実上必須になるとしたら、早めに移行して「価格の正直なお店」というブランドイメージを作っておくほうが、長期的には有利だと個人的には思います。ただし、そのためには利益率の設計を先にしておくことが大前提です。
出前館の「お店と同じ価格」施策 — 飲食店が今すぐ取るべき3つの対応策
私たちGoistechはUberEats正規代理店としてGold🎖️を3年連続で獲得しており、デリバリー専業の現場から多くの加盟店を見てきました。フードデリバリーの価格施策で成功しているお店には、共通した準備の仕方があります。
対応策1. 参加前に収益シミュレーションを必ず行う
最初のステップは「移行するかどうか」を数字で判断することです。感覚ではなく、現在のデリバリー専用価格と店頭価格の差、1件あたりの手数料、1日・1ヶ月の注文件数をもとに、移行前後の収益を比較してください。
出前館のオーナーダッシュボードでは過去の注文データを確認できます。平均注文単価・件数・キャンセル率を引き出して計算の素材にしましょう。
最低限シミュレートすべき数字:
– 現在の1件あたりの粗利
– 移行後の1件あたりの粗利(手数料は同じ)
– 何件増えれば移行前と同じ収益になるか
対応策2. 客単価アップ戦略とセットで移行する
単品の価格を下げる場合、それを補うのは客単価の向上です。セット商品・サイドメニュー・デザートをデリバリーメニューに追加し、1回の注文で複数点が入るよう設計することが重要です。
私たちが支援してきたお店でも、「主力商品の価格を店頭と同じにする代わりに、サイドメニューを充実させた」結果、客単価が上がって利益率が改善したというケースがあります。
実際にGoistechが支援した居酒屋では、メニュー構成の見直しと価格戦略の改善で8ヶ月で498万円の売上アップを達成しています。価格だけを下げることではなく、注文体験全体を設計することが収益改善のカギです。
対応策3. 複数プラットフォームの価格を統一して管理コストを減らす
UberEatsも出前館も同一価格施策を推進している今、両方に出店している飲食店は「どちらで何円にするか」という価格管理の手間が増えています。
おすすめの解決策は、デリバリー専用の「基準価格」を作ることです。店頭価格と同じにするか、容器・包装コストを加味して若干の上乗せをするかを決め、全プラットフォームで統一すると管理が楽になります。
また、一元管理ツール(HubsterやCamel等)を導入すると、複数プラットフォームのメニュー価格を一括管理できるので、ここは正直おすすめのアプローチです。
よくある質問
Q. 「お店と同じ価格で出前館」への参加は強制ですか?
現時点では任意参加です。ただし、出前館の検索アルゴリズムや特集ページへの掲載において、参加店舗が優遇される可能性があるため、競合店が参加を広げていくにつれて実質的な影響が出てくる可能性はあります。先述のシミュレーションを行ったうえで判断することをおすすめします。
Q. 参加した場合、出前館から受け取る加盟店手数料率は変わりますか?
「お店と同じ価格」施策への参加自体によって手数料率が変わるという公式情報は確認されていません。ただし、手数料体系は出前館との契約内容によって異なる場合があるため、契約書や担当者への確認をお忘れなく。
Q. UberEatsと出前館を両方使っている場合、どちらの価格に合わせればいい?
両方のプラットフォームで同じ価格を設定するのがもっとも管理しやすく、消費者にとっても公平感があります。「Aでは安い、Bでは高い」という状態はユーザーの不信感につながることがあるため、統一価格での運用が長期的にはおすすめです。
Q. 送料無料キャンペーンはいつまで続きますか?
2026年7月現在、出前館は「終了時期未定」として送料無料を継続しています。ただし、今後終了する可能性はゼロではありません。送料無料期間中に参加して認知を広めておくことが、施策の恩恵を最大限受けるうえで重要です。
Q. 「お店と同じ価格」に参加したのに注文が増えない場合は?
価格以外の要因(商品写真の品質、メニュー構成、レビュー評価)も注文数に大きく影響します。価格施策の効果を最大化するには、店舗ページ全体の最適化が必要です。出前館のオーナーダッシュボードで表示回数・クリック率・注文転換率を確認し、数字が低い部分から手を入れていきましょう。
ブログをチェックしてみてくださいね。
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