デリバリー導入・比較

【2026年版】フードデリバリーの損益分岐点を業態別に試算 — ラーメン・居酒屋・カフェで黒字化できる手数料計算

Goistech株式会社のK.Hです。主に手数料・費用・収益計算といった数字の面からフードデリバリー導入をサポートしています。

「デリバリーを始めたが、本当に利益が出ているのか分からない」
「手数料が35%もかかるなら、実店舗より儲からないのではないか」
「業態によって、デリバリーに向き・不向きはあるのか」

このような悩みを持つ飲食店オーナー様に向けて、業態別の損益分岐点を具体的な数字で試算します。「なんとなくデリバリーをやっている」状態を脱し、数字で経営判断できるようになることを目指してください。

フードデリバリーで「本当に利益が出る」とはどういう状態か?

フードデリバリーを導入した多くの飲食店オーナー様から、「売上は上がったが利益が増えている実感がない」というお声をいただきます。その原因のほとんどは、手数料の影響を事前に計算しないまま始めてしまうことにあります。

利益が出ている状態とは、デリバリーの売上から手数料・原材料費・包装費などを引いた後に「プラス」が残っている状態です。「売上が増えた=利益が出た」ではありません。特にデリバリーでは、実店舗とは異なる変動費が発生します。

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど釣り合う点のことです。これを下回れば赤字、上回れば黒字です。デリバリーにおける損益分岐点は、業態によって大きく異なります。今回は代表的な3業態を具体的な数字で見ていきましょう。

デリバリーの損益分岐点計算に必要な3つの要素

変動費率(原価率+手数料)

デリバリーの変動費は大きく3つです。

費用項目 目安
食材原価率 30〜40%(業態による)
デリバリー手数料 約35%(UberEats等)
包装・容器費 1〜3%
合計変動費率 66〜78%

変動費率が高いほど、損益分岐点に達するまでに多くの売上が必要になります。実店舗では変動費率が60〜65%程度のことが多いですが、デリバリーでは手数料分だけ上乗せされます。

固定費の取り扱い

デリバリーに直接かかる固定費としては、タブレット端末のレンタル料(月数千円〜)や専用包装の在庫コストなどがあります。ただし既存店舗で始める場合は、家賃・人件費は追加発生しないため、純粋に「デリバリーで増える費用」だけを計算します。

これは大きなメリットで、「実店舗が暇な時間帯にデリバリーを受注する」構造であれば、固定費の追加負担はほぼゼロです。

デリバリー専用価格設定の考え方

多くの飲食店が見落とすのが、デリバリーでの価格設定です。実店舗と同じ価格でデリバリーに出すと、手数料35%分がそのまま利益を削ります。

基本的な考え方: デリバリー手数料相当分を価格に上乗せする。

例えば、店内価格1,000円の商品をデリバリーで1,300〜1,400円に設定することで、手数料を吸収できます。消費者としても「デリバリーは少し高い」という認識があるため、適切な価格上乗せは受け入れられやすい傾向があります。

【ラーメン店ケース】フードデリバリーの損益分岐点を試算する

前提条件と収支シミュレーション

ラーメン店の一般的な条件で試算します。

  • 平均単価: 1,200円(デリバリー価格)
  • 食材原価率: 30%(スープ・麺・トッピング合計)
  • 手数料: 35%(UberEats)
  • 包装費: 1.5%
項目 割合
食材原価 30%
手数料 35%
包装費 1.5%
変動費合計 66.5%
限界利益率 33.5%

月間固定費(タブレット等)を1万円と仮定すると、損益分岐点の売上は以下のとおりです。

損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率 = 10,000円 ÷ 33.5% ≒ 約29,900円

つまり、月3万円のデリバリー売上を超えれば黒字になります。1日に1,200円の注文を1件受ければ達成できる水準です。ラーメン店はデリバリーに向いている業態のひとつと言えます。

損益分岐点を下げる改善ポイント

  1. 包装費の見直し: 1食あたりの容器コストを下げる(丼型容器の最適化)
  2. 平均客単価を上げる: トッピング追加・サイドメニュー(餃子・ライス等)の受注を促す
  3. 営業時間を広げる: 昼時だけでなく夜間の受注も対応することで月次売上を積み上げる

仮に月商を10万円まで伸ばした場合、限界利益は33,500円。タブレット費用1万円を引いても月2.35万円の純利益が積み上がります。小さいようですが、実店舗の空き時間を使った「副収入」として考えれば十分な水準です。

【居酒屋ケース】Goistech支援実績のリアルな数字

UberEats正規代理店としてGold🎖️を3年連続で獲得している私たちGoistechが支援した居酒屋の事例をご紹介します。神戸市内の居酒屋様で、8ヶ月でデリバリー売上498万円UPを達成しました。

改善前の収支状況

支援開始前の状況は次のとおりでした。

  • 月間デリバリー売上: 約18万円
  • 食材原価率: 45%(仕込みに手間がかかるメニューが中心)
  • 手数料: 35%
  • 包装費: 2%
  • 変動費合計: 約82% → 限界利益率は約18%

限界利益率が低く、少しでも売上が落ちると赤字に転落する危険な構造でした。月18万円の売上から固定費・材料廃棄などを考慮すると、実質的な利益はほぼゼロに近い状態です。

改善後の損益分岐点の変化

Goistechが実施した主な改善策は3つです。

  1. デリバリー専用メニューへの切り替え: 仕込みが少なく原価率の低い「唐揚げ・揚げ物・冷菜系」に絞り、原価率を45%→35%に改善
  2. 価格の見直し: 店内価格より15〜20%高く設定し、手数料負担を軽減
  3. バーチャルレストランの追加: 同一厨房で「唐揚げ専門店」ブランドを追加展開し、売上の底上げ

結果として、限界利益率が18% → 28%に改善。月商50万円を超えてからは、売上が増えるほど利益が積み上がる構造に変わりました。8ヶ月で498万円UP という数字の背景には、こうした収支構造の根本的な見直しがあります。

【カフェケース】高単価×少量注文型の採算ライン

前提条件と収支シミュレーション

カフェの場合は高単価でも注文数が少なくなりやすいという特徴があります。

  • 平均単価: 1,800円(スイーツ+ドリンクのセット)
  • 食材原価率: 35%(スイーツは原価が高い)
  • 手数料: 35%
  • 包装費: 2%
項目 割合
変動費合計 72%
限界利益率 28%

限界利益率がラーメン店(33.5%)より低いのは、スイーツ類の食材原価率が高めなためです。

月5万円のデリバリー売上での損益計算:

項目 金額
売上 50,000円
変動費(72%) 36,000円
限界利益 14,000円
固定費(タブレット等) 10,000円
純利益 4,000円

月5万円(約28件の注文)で4,000円の利益という水準は、単体では魅力に欠けます。しかし月10万円(約56件)まで伸びると純利益は18,000円。単価を2,000円以上に設定できれば、月20〜30万円規模の利益が見えてきます。

カフェに多い「価格設定ミス」の落とし穴

カフェで最も多いのが「店内価格そのまま」でのデリバリー出店です。コーヒー単品600円をデリバリーで出すと、手数料35%(210円)を差し引くと受取は390円。原材料費・包装費を引けば赤字になります。

必ずデリバリー専用価格を設定してください。 コーヒー単品ではなく、スイーツ・ドリンクのセット構成で平均単価を1,500〜2,000円以上に設定することを強く推奨します。

デリバリーで損益分岐点を改善する4つの施策

3つの業態ケースを通じて見えてきた共通の改善ポイントをまとめます。

① デリバリー専用価格を設定する(最重要)
店内価格より15〜20%高く設定し、手数料負担を吸収します。「高い」と感じるお客様はほとんどおらず、配達員の人件費・利便性への対価として理解されます。価格変更はUberEatsの管理画面からいつでも対応可能です。

② 原価率の低い商品をデリバリー主力メニューに
仕込みが複雑で原価率が高いメニューをデリバリーに出すと、限界利益率が下がります。シンプルで原価率が低く、温度変化に強い商品(揚げ物・丼もの・麺類など)を優先してください。

③ 平均注文単価を上げる施策を継続
セット販売・トッピング追加・ドリンクセットなど、1注文あたりの金額を上げる施策を継続します。注文単価が100円上がるだけで、限界利益率が大きく改善します。

④ バーチャルレストランで売上の底上げ
同じ厨房で複数のデリバリーブランドを展開することで、追加コストなしに注文数を増やせます。Goistechのサービス「Going Delivery」では、既存の厨房設備を活かして最短2週間で新ブランドを立ち上げることが可能です。実際に、中華居酒屋様は7ヶ月で341万円のデリバリー売上UPを達成しています。

よくある質問

Q. デリバリーの手数料は交渉できますか?

UberEats・出前館などの手数料は原則として一律で設定されており、個別交渉はできません。正規代理店を通じて出店することで、手続きのスムーズ化や導入後のサポートは受けやすくなりますが、手数料率の変更はありません。手数料そのものの削減より、価格設定の最適化と注文単価の向上で利益を確保することを推奨します。

Q. 損益分岐点の計算後、実際に達成するまでどれくらいかかりますか?

店舗の立地・業態・初期の口コミ状況によって異なります。適切なメニュー設定と写真の改善を行えば、多くの場合3〜6ヶ月以内に損益分岐点を超えます。Goistechが支援した事例では、最短で導入1ヶ月目から黒字を達成した居酒屋様もいます。

Q. 実店舗と同じ価格で出店していますが、今から変えても大丈夫ですか?

問題ありません。価格変更はUberEatsの管理画面から随時対応できます。ただし急激な値上げはレビューに影響する場合があるため、10〜20%程度の段階的な引き上げを推奨します。変更のタイミングや幅についても、導入支援の中でご一緒に検討させていただきます。

Q. カフェはデリバリーに向いていないですか?

単品ドリンクのみの構成では厳しいですが、スイーツ・フード・ドリンクのセット構成にすることで十分に採算が取れます。実際に、Goistechが支援したカフェ系の店舗でもデリバリー売上が月20万円を超えているケースは複数あります。「向いていない業態」というよりも、「メニュー設計と価格設定の工夫が必要な業態」です。


数字の面からしっかりサポートさせていただきます。

UberEats正規代理店 Gold🎖️3年連続獲得のGoistechが
あなたの飲食店のデリバリー導入・売上改善をサポートします。

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