Goistech株式会社のK.Hです。日々、飲食店オーナー様のデリバリー導入・運営コスト改善をサポートしています。
「UberEatsの手数料が高くて、注文が増えても利益が全然残らない」
「手数料35%を差し引くと、デリバリーを続ける意味があるのか分からなくなってきた」
「同じ手数料でも、うまくやっているお店とそうでないお店の差は何だろう」
このような悩みを持つ飲食店オーナー様に向けて、デリバリー手数料を「実質的に」削減するための7つの方法を、具体的な数字とともにご説明します。手数料率そのものは交渉できなくても、手数料あたりの利益率は工夫次第で大きく変えられます。
デリバリー手数料の「実質コスト」を正しく理解しよう
手数料35%は本当に高いのか?
UberEats・出前館・menuの飲食店向け手数料は現在いずれも35%前後です。1,000円の注文に対して350円を差し引かれる計算になります。
「高すぎる」と感じる方は多いのですが、比較軸を変えると見え方が変わります。
| 集客手段 | コスト率の目安 |
|---|---|
| グルメサイト(食べログ・ぐるなびなど) | 月額固定費 + 成果報酬(注文ゼロでも費用発生) |
| チラシ・折込広告 | 印刷・配布費用で20〜30%以上になることも |
| SNS広告 | 新規顧客1人あたりのCPA(獲得単価)は業種によりさまざま |
| フードデリバリー | 注文が発生した分だけ手数料が発生。固定費ゼロ |
フードデリバリーは「売れた分だけ払う」完全成果報酬型です。集客力ゼロの状態で始めても、プラットフォームが新規顧客を連れてきてくれる。この点を踏まえれば、35%は必ずしも高い数字とは言えません。
問題は「35%を支払ったあとに、どれだけの利益が残るか」です。
「実質コスト」で考える正しい計算式
多くの飲食店が陥る誤りは、手数料だけを見て判断することです。実際には手数料以外にも複数のコストが積み上がっています。
実質コスト = 手数料 + 包装容器代 + 廃棄ロス + 管理コスト(人件費・ツール費)
具体的に見てみましょう。月間売上50万円の居酒屋の例を挙げます。
| コスト項目 | 金額 | 売上比率 |
|---|---|---|
| UberEats手数料(35%) | 175,000円 | 35% |
| 包装容器代(平均100円/件×200件) | 20,000円 | 4% |
| 廃棄ロス(仕込み過多分) | 10,000円 | 2% |
| タブレット管理・確認の人件費 | 15,000円 | 3% |
| 実質コスト合計 | 220,000円 | 44% |
つまり「手数料35%」と思っていても、実態は44%のコストが出ていることになります。7つの方法は、この44%全体を下げることを目的としています。
デリバリー手数料を実質削減する7つの方法
① デリバリー専用メニュー価格の適正設定で手数料分を吸収する
デリバリーと実店舗で価格を分けて設定することは、プラットフォームのルール上も認められています。UberEatsは「同一価格ポリシー」を推進していますが、これは「アプリ内の同じ商品が異なる価格で掲載されないこと」を指しており、実店舗との差を禁止するものではありません。
現実的な上乗せ幅の目安は10〜20%です。
| 店頭価格 | 上乗せ率 | デリバリー価格 | 手数料控除後の手元金 | 実質利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000円 | 0%(上乗せなし) | 1,000円 | 650円 | 65% |
| 1,000円 | 10% | 1,100円 | 715円 | 71.5% |
| 1,000円 | 15% | 1,150円 | 747円 | 74.7% |
| 1,000円 | 20% | 1,200円 | 780円 | 78% |
20%上乗せするだけで、手数料を実質27.5%相当まで下げられる計算です。ただし、上乗せ幅が大きすぎると注文数が落ちる可能性があります。競合店の価格帯を確認しながら、15%前後を目安に設定することをおすすめします。
② セット商品・注文単価アップで固定費を薄める
手数料は「売上×35%」で計算されますが、注文1件あたりの固定コスト(包装・仕込み・配達にかかる手間)は変わりません。注文単価を上げることで、固定コストを薄められます。
具体的に見てみましょう。
| ケース | 注文単価 | 手数料 | 包装等コスト | 固定費後の純売上 |
|---|---|---|---|---|
| 単品のみ | 800円 | 280円 | 100円 | 420円 |
| セット(+ドリンク) | 1,400円 | 490円 | 110円 | 800円 |
| セット(+ドリンク+デザート) | 1,800円 | 630円 | 120円 | 1,050円 |
単品からセットに誘導するだけで、1件あたりの純売上が2倍以上に改善します。メニュー編集画面でセット商品を目立つ位置に配置し、「〇〇円以上でドリンク無料」などの表示も有効です。
③ UberEatsプロモーション機能を費用対効果で使い切る
UberEatsには「プロモーション」機能(クーポン発行・割引設定・ブースト広告)があります。費用を投じることになりますが、上手く活用すれば注文数の増加が手数料コストを上回る結果を出せます。
特に効果が高いのは以下の2パターンです。
パターン1:UberEats主催のキャンペーンに乗る
UberEatsが費用を一部負担する「共同プロモーション」に参加すると、自社の実費を最小化しながら集客できます。キャンペーン参加の案内はUberEats管理画面(レストランマネージャー)で確認できます。
パターン2:新規顧客限定クーポンの設定
初回注文に限定したクーポン(例:500円OFF)を設定することで、新規顧客の注文障壁を下げます。1回目の注文でリピーターになってもらえれば、クーポン費用は十分に回収できます。
Goistechがサポートした飲食店では、月500〜1,000円相当のプロモーション費用投入で、注文数が1.5〜2倍になったケースも複数あります。
④ Top Eats(旧Eats厳選)獲得で広告費ゼロの露出増
UberEatsの「Top Eats」バッジ(2026年以降の新評価制度)を獲得すると、アプリ内の検索結果で上位表示されるようになります。広告費ゼロで新規顧客にリーチできるため、手数料あたりのROI(投資対効果)が大きく改善します。
取得条件(2026年現在):
| 条件 | 基準値 |
|---|---|
| 評価スコア | 4.5以上 |
| キャンセル率 | 0.5%未満 |
| 月間注文件数 | 45件以上 |
Top Eats獲得には「月45件以上」の注文件数が求められますが、バーチャルレストラン(複数ブランドの同時運営)を活用することで、既存の厨房のまま件数を積み上げることができます。評価スコアの維持には、商品の品質・包装の丁寧さ・注文通りの提供の3点が基本です。
⑤ 出前館・menuとの複数登録でリスク分散と集客増
1つのプラットフォームに依存すると、サービス障害や手数料改定の影響をそのまま受けます。出前館・menuとの複数登録によって、リスクを分散しつつ露出機会を増やせます。
2026年3月から、出前館は「お店価格プログラム」を全国1万店以上に展開しました。アプリ内価格を実店舗と同じにする代わりに、出前館が手数料の一部を負担する仕組みです。このプログラムに参加することで、ユーザーの注文障壁が下がり、出前館経由の新規顧客獲得に期待が持てます。
| プラットフォーム | 特徴 | 手数料の目安 |
|---|---|---|
| UberEats | 配達員数が最多。ブランド認知が高い | 35% |
| 出前館 | 日本最大の注文数。お店価格プログラム展開中 | 35%(プログラム参加で実質変動) |
| menu | 手数料が低め。地域によっては強い | 30〜35% |
複数登録は管理コストが増えますが、次の方法⑦と組み合わせることで対応できます。
⑥ 包装容器コストの見直しで1件あたりの利益を改善
「手数料35%は仕方ない」としても、包装コストは自店で工夫できるコストです。1件あたり100〜150円が標準的な包装コストですが、工夫次第で50〜80円まで抑えられます。
見直しポイント
- 容器の種類を絞る: メニューを整理し、1〜2種類の汎用容器で対応できるようにする
- 大量仕入れで単価を下げる: 月100件以上の注文があれば、業務用業者への交渉余地が出てくる
- 保温バッグの使い方を見直す: 配達員が自前のバッグを持参するプラットフォームでは、使い捨ての保温袋が不要な場合もある
- 袋のサイズを最適化する: 必要以上に大きな袋や過剰なテープ・緩衝材をなくす
月200件の注文があれば、1件あたり50円の削減で月1万円のコスト削減になります。小さな数字に見えますが、年間12万円の差は経営に確実に効いてきます。
⑦ 一元管理ツールで管理コストと機会損失をなくす
複数プラットフォームに登録すると、タブレットが複数台必要になり、注文確認・在庫管理の手間が増えます。見落としによるキャンセルが発生すると、評価が下がってさらに注文が減るという悪循環に陥ります。
一元管理ツール(Hubster、Camel、Ordeeなど)を導入すると、1台のタブレットで全プラットフォームの注文を管理でき、在庫切れの自動設定・売上レポートの一元化が可能になります。
| ツール | 月額費用の目安 | 対応プラットフォーム |
|---|---|---|
| Hubster | 1〜3万円 | UberEats・出前館・menu等 |
| Camel | 1〜2万円 | UberEats・出前館等 |
| Ordee | 1万円〜 | UberEats等 |
月額1〜2万円のコストですが、複数プラットフォームで月30件以上の注文があれば管理効率向上により十分に元が取れます。キャンセル率の低下によって評価スコアも上がりやすく、④のTop Eats獲得にも好影響を与えます。
【Goistech実績】施策を組み合わせた収支シミュレーション
UberEats正規代理店としてGold🎖️を3年連続で獲得した私たちGoistechは、上記の施策を組み合わせることで飲食店の収益改善をサポートしてきました。実際の数字でシミュレーションを見てみましょう。
対象:居酒屋Aさん(施策実施前後の比較)
| 項目 | 施策前 | 施策後(6ヶ月後) |
|---|---|---|
| 月間デリバリー売上 | 500,000円 | 750,000円(+50%) |
| UberEats手数料(35%) | 175,000円 | 262,500円 |
| 包装コスト | 20,000円 | 22,500円(最適化済み) |
| プロモーション費用 | 0円 | 15,000円 |
| 一元管理ツール | 0円 | 15,000円 |
| 実質利益 | 305,000円 | 435,000円(+43%) |
売上が50%増えた結果、手数料の絶対額は増えましたが、実質利益は43%改善しています。施策の組み合わせで「手数料率は変わらなくても、利益は大きく改善する」ことがわかります。
私たちがサポートした実際の飲食店の事例として、ある居酒屋では8ヶ月で売上が498万円アップ、中華居酒屋では7ヶ月で341万円アップという実績があります。いずれも手数料率は変えず、運営の最適化と複数ブランド展開によって達成した数字です。
失敗しないための注意点3つ
手数料削減を意識するあまり、逆効果になるケースも見てきました。以下の点には注意が必要です。
注意点1:価格設定を上げすぎてランキングが落ちる
30%以上の価格上乗せは、アプリ内での競合比較でマイナスになります。ユーザーが価格で他店と比較するため、注文数が大幅に落ちるリスクがあります。上乗せは15%前後を上限の目安にしてください。
注意点2:プロモーションのROIを検証しない
プロモーション費用を使いっぱなしにせず、毎月「プロモーション費÷増加した注文数」で1件あたりの獲得コストを計算してください。ROIが合わなければすぐに施策を見直す必要があります。
注意点3:一元管理ツールなしで複数登録する
タブレット管理を手動で行いながら複数プラットフォームに登録すると、キャンセルや在庫切れの見落としが増え、評価スコアが下がります。複数登録と一元管理ツールはセットで導入することを強くおすすめします。
よくある質問
Q. UberEatsの手数料は個別に交渉できますか?
通常の加盟店が手数料率を個別交渉するのは難しい状況です。ただし、自社配達(自店でドライバーを手配)との組み合わせプランを利用すると、手数料が15%程度まで下がる選択肢もあります。自社配達には人件費・ガソリン代が別途必要なため、注文件数と配達エリアを踏まえて判断してください。
Q. 複数プラットフォーム登録すると、管理が大変になりませんか?
タブレットを複数台並べて手動で管理すると確かに大変です。一元管理ツール(Hubster・Camelなど)を使えば、1台で全プラットフォームの注文・在庫・売上を管理できます。導入後は「プラットフォームが増えても管理の手間はほとんど変わらない」と感じる店舗が多いです。
Q. 出前館の「お店価格プログラム」に参加すべきですか?
2026年3月に全国展開された出前館のお店価格プログラムは、店頭と同じ価格でデリバリー注文を提供する仕組みです。参加することでユーザーの注文障壁が下がり、注文数の増加が期待できます。一方、価格上乗せによる手数料吸収ができなくなる面もあるため、他の施策(②セット単価アップ・③プロモーション活用など)と組み合わせながら判断することをおすすめします。詳しくは出前館の加盟店サポートにご相談ください。
Q. Top Eats(旧Eats厳選)の獲得で、実際どのくらい注文が増えますか?
Goistechが支援した店舗の傾向では、Top Eats獲得後に注文数が20〜40%増加するケースが多く見られます。ただし、これは地域や業態・競合状況によって異なります。Top Eats獲得後も評価スコアを継続して4.5以上に維持することが条件であるため、品質管理の継続が重要です。
数字の面からしっかりサポートさせていただきます。
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